IE9ピン留め

六度法で字を書く

 前にも当ブログで述べた通り、昨今あまり字を丁寧に書けていないことを自覚していました。
 業務上、メモ程度にメッセージを付箋に書いて渡すことが多いので、改善したいなと考えていました。たとえ相手が気にしなくても、自分が楽しい気持ちになれない。
 友人知人には、非常にいい字を書く人がいて、いいなあと惚れ惚れしていました。
 達筆というのではなく、まっすぐであるべきところはまっすぐ、垂直なところは垂直、という礼儀正しい字で、くせのない素直な筆跡なのです。実に好もしい。
 そこで最近、字の練習をはじめました。
 ジュンク堂に行って、どの本がいいかを物色。詩や古文を書き写すもの、王道的なペン字のテキストなどなどいろいろ。
 私が選んだのは、富澤敏彦先生の「六度法」のメソッドを用いた本でした。
 ほかの本は、字形が好みでなかったのです。いや、きれいなんですよ。きれいな字なのですが、「自分だったらここをもう少しまるく書くのが好きだなあ」とか、そんなことを思ってしまい。
 また、一字ごとに、“ここは余白をあける”とか、“ここは均等にする”とか、そういう指導をされてもおぼえづらいなあとも思い。
 応用がきく基本法則を教えてくれる「六度法」の本を買い上げたわけです。

字を書くことが、楽しい!ペンを持つと、ウキウキする!そんな気持ちに、あなたもきっとなります。
 富澤先生はこうお書きになっています。
 ああ、そういう気持ちをずっと忘れていたなあ。昔は、字を書くことが好きで仕方なかったんだったなあ。好きなことはなんでも紙に書いていました。いつから面倒に感じるようになったんだろう。
 毎日十分間でいい、というのも心強い。
 内容も、いわれてみればその通り!というシンプルかつ重要なメソッドが盛りこまれています。

 いちばん好感をおぼえるのは、富澤先生の考え方です。
「みんなが同じ形なんて個性がない」という考え方もあるでしょうが、手のひらの大きさ、筋肉、筆記具を握る位置、おそらくは呼吸の違いも関係して、書く人によって違ってくるものです。ピアノはバイエルで練習しますが、みんなが違った印象になるのと同じです。
 基本をしっかり身につけた後は、自分流の文字に変えていってよいとのこと。これはうれしい!
「上手な字」という言い方ではなく、私があえて「整った字」と言うのは、人柄・教養に関わる精神論や、書道的な美しさには立ち入らないという考え方によります。
 そうですよね、字のきれいさと人品骨柄はまったく関係ありません(上記に挙げた、好感のもてる字を書く友人は実に性格のよい人たちですが)。

「この通りに書きなさい」という「お手本」ではなく、内容説明を文字で示すためなので、「モデル字」と呼んでいます。
 先生は、かつて脳梗塞に見舞われ、いまだに右腕・右手に麻痺が残っているとのこと。先生が鉛筆で書いたモデル字は、しかし素敵な字だと思います。
 そんな大病を患ったなんて大変なことだったでしょうに、そのことを告白する口調は謙虚でさりげなく、しかも読者が希望を持てるような励ましに満ちていて、胸を打たれるものがありました。
 後遺症のため、トレーニングを一日でも休むと字がぎこちなくなるそうです。旅先でも書くとか。字を見るとそのときのことがありありと思い出されるというのは、大変共感できます。手帳や、読んだ本の感想をつづったノートを読み返すと、当時の自分が、息遣いまでそっくり残っているような気がするのです。

 練習用のノート(ジャポニカ学習帳を使ってます)に向かってペンを動かしているときは、しっかり書けるのに、いつもの場面だといつもの字に戻ってしまいます、まだまだ。
 これからも、楽しく練習を続けるつもりです。

※引用はすべて、富澤敏彦著「六度法でうまくなる!モテ文字練習帳」(東京書籍)より。



by frou_frou | 2007-01-19 20:10 | よむもの | Trackback | Comments(0)
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